これまでのやり取りを分析した結果、エラーの根本原因はEFIシステムパーティション(ESP)の破損である可能性が非常に高いと判断されます。bcdedit
コマンドが「ファイルが見つかりません」というエラーで失敗するのは、このパーティションを正常に読み取れない場合の典型的な症状です。インストーラーが「空き容量を確認できない」と報告するのも、ディスクのパーティション構成を正しく認識できないためです。
この問題を解決するには、Windowsのインストールメディアを使用してPCを起動し、手動でEFIパーティションを再構築する必要があります。以下に詳細な手順を示します。
Windows 11インストールメディアの作成正常に動作する別のPCを使用し、Microsoftの公式サイトからメディア作成ツールをダウンロードして、8GB以上のUSBメモリにインストールメディアを作成します。インストールメディアから起動作成したUSBメディアを問題のPCに接続し、PCの電源を入れ、BIOS/UEFI設定でUSBから起動するように設定します。Windowsセットアップの最初の言語選択画面が表示されたら、Shift + F10
キーを押してコマンドプロンプトを開きます。EFIパーティションの特定と再構築開いたコマンドプロンプトで、以下のコマンドを慎重に順序通り実行します。diskpart
と入力し、Enterキーを押します。list disk
と入力し、PCに接続されているディスクの一覧を表示します。Windowsがインストールされているディスク(通常はサイズで判断できます)の番号を確認します。sel disk X
と入力します(X
は先ほど確認したディスク番号に置き換えます)。list vol
と入力し、ボリュームの一覧を表示します。ここで、ファイルシステムが「FAT32」で、サイズが100MBから500MB程度の「システム」または「EFI」とラベル付けされたパーティションを探し、そのボリューム番号を覚えます。sel vol Y
と入力します(Y
はEFIパーティションのボリューム番号に置き換えます)。assign letter=S
と入力し、未使用のドライブ文字(例:S)を割り当てます。exit
と入力し、diskpartを終了します。format S: /FS:FAT32
と入力し、EFIパーティションをFAT32でフォーマットします。bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFI /l ja-jp
と入力します。ここで、C:\Windows
はWindowsがインストールされているドライブです(list vol
で確認した文字に合わせる)。このコマンドは、新しいブートファイルをEFIパーティションに書き込みます。
再起動とアップグレードの再試行すべてのコマンドが正常に完了したら、コマンドプロンプトを閉じ、PCを再起動します。USBメディアを取り外し、PCが通常通りWindows 10で起動することを確認してください。起動後、再度Windows 11へのアップグレードをお試しください。