補足させていただきます。
技術的には、BitLockerの暗号化は「ボリュームマスターキー(VMK)」というキーによって行われています。このVMK自体は、PCに搭載されているTPM(Trusted Platform Module)
というセキュリティチップによって保護されています。
普段、PC起動時に行われているのは、TPMによるPC構成のチェックです。問題がなければVMKが自動的に解放され、OSが起動します。ここで設定した「パスワード」は、TPMが利用できない環境や、追加のセキュリティ層として機能します。
一方、「回復キー」は、このTPMの保護メカニズムをバイパスして、VMKを直接復号するための唯一の手段です。マザーボードの交換などでTPMのチェックが失敗した際や、パスワードを忘れた際の最終手段となります。
まとめると以下のようになります:
- パスワード:日常的なロック解除のための便利な認証方法。(TPMと連携、またはTPMの代わり)
- 回復キー:TPMの保護やパスワード認証が使えない緊急事態に、データを救出するための「最後の鍵」。